「よかったな!てか、お前誰だ?」



突然須藤玲次が口を挟んできた。

今のタイミングで聞くか?

ちょっと今良い雰囲気じゃなかったか?



「な、なんだよ?睨むなよ!!」



須藤玲次があたしを見て焦ったようにそう言う。



「あたしは隣のクラスの辻村葉月。あんたは須藤玲次でしょ?」



「おっ!よく俺の名前知ってんな!まさかお前、俺様にホの字なのか?」



ニヤニヤと小学2年とは思えないような笑みであたしを見てきた。

な、なんかコイツ…ムカツク。

呆れた顔をして須藤玲次を見ていたらヤツが言った。



「いや~お前美人だけどなぁ、俺にはもう好きなやつがいるんだなぁ」



いやいや、そんなこと誰も聞いてないし。

『残念、ごめんな』と言ってあたしを見た。



「んなわけないでしょ?誰があんたなんかガキに惚れるか!」



あたしには3つ年の離れたお兄ちゃんがいる。

だからかな?周りの男子はみんなガキに見える。

まぁ、今でも十分ガキの集まりだけれども。

あたしは将来、年上しか好きにならないと思う。