あれは澪ちゃんが目覚めて数日経った時。

私が澪ちゃんの着替えなどを持って病室に行くと、ちょうど警察の人が2人、澪ちゃんの病室の外で話していた。



「あの…」



私はその警察官に話しかけた。



「どうしましたか?」



「澪ちゃんは…これからどうなるのでしょうか?」



そう聞くと警察官は難しい顔をした。



「親もその親戚もいませんし…。施設に預けるしかありませんね」



そう言われてやっぱりと思った。

澪ちゃんには母親しかいなかった。

その母親も施設の出だったらしい。



「…そう…ですか」



私はそう言って警察官に会釈をして澪ちゃんの病室に入った。