「ホントは須藤が好きなんじゃないの?」



先輩にそう聞かれてあたしの頭の中で何かがはじけた気がした。

それでもまだ体は否定する。



「そんなことない…あたしは先輩が…」



好き…。


そう言いたいのに言えない。

玲次の顔ばかり頭の中に浮かんでいる。

どう…して?



「ほら。俺に好きって言えないでしょ?それが証拠」



そう言って先輩は立ち上がってサッカー部の方をを見た。

あたしは黙って先輩の背中を見つめた。



「澪ちゃんはきっと昔から須藤のことが好きだったんだよ。でも相手が近くにいすぎて澪ちゃんは自分の気持ちに気づかなかったんだ」



先輩は少し俯いてからクルリとあたしの方に体を向けた。