もう、ホントに澪ちゃんのこと好きなんだから。

そう思いながら私は台所で唐揚げを揚げていた。



玲次が1年生のとき、先生から玲次が友達と喧嘩をしたという電話をもらった。

その時は全くしょうがないバカ息子だと思って学校に着いたら怒ろうと思っていた。

でも喧嘩した理由を聞いたら違った。

なんと玲次が他の子に意地悪されていた女の子を助けたらしい。

その女の子はとても可愛らしい子だった。

そして玲次の目を見てすぐに分かった。

うちの息子はこの子に恋してるんだな、と。

それからちょくちょくうちに遊びに来てもらっていたけど、ある時玲次が心配そうに私に言った。



「今日澪の腕のここにあざがあったんだよ」



その時はどこかにぶつけたのかと思ったけど、この前澪ちゃんの体のあざを見てあれは転んだんじゃないと思った。

あのあざはどう見ても虐待…。

洋服で隠れるようなとこにしかあざがないなんておかしい。

そう思って児童相談所に相談してもなかなか動いてくれなかった。

だから最近は毎日のようにうちに来てもらっている。

これからどうしたらいいのかしら。

ボーっと考えていたら唐揚げが焦げてしまった。

これから起こることを予兆するように、真っ黒に…。