「本当に申し訳ありませんでした」



隣で母さんが先生に向かって頭を下げていた。

俺はその隣でほっぺたに貼られた絆創膏をいじりながらぶーたれていた。



「いいえ。玲次君はいじめられてた子を助けようとしてたんです。」



そう言って先生が母さんに言った。

すると先生の後ろからひょこっと澪が出てきた。



「…玲次君のお母さん。玲次君を怒らないでください」



澪は俺の母さんにそう言った。

おい、余計なこと言うなよ。

そんな目線を澪に向けたが、澪は俺と目を合わせようとはしなかった。



「あら?あなたは?」



母さんが不思議そうに澪に聞いた。



「佐伯澪です。先週転校してきました」



「あらあら、可愛らしい子ね」



そう言って母さんはしゃがんで澪と目を合わせた。

澪は母さんを見つめて言った。