昨日の濡れた制服は、おばさんがキレイに洗ってくれた。

おばさんは濡れた理由を聞いてこなかったけど、きっと玲次がうまく言ってくれたのだろう…。



「行ってきまーす!」



「行ってきます」



あたしと玲次はいつものようにおばさんにそう言った。



「行ってらっしゃい。あっ!澪ちゃん、紙飛行機は運動場とか広い場所でやりなさいね」



おばさんにそう言われてあたしの頭の中にハテナが浮かんだ。

紙飛行機?



「え?だって昨日紙飛行機で遊んでてそれを追いかけたら気づかなくて学校の噴水に落ちちゃったんでしょ?」



おばさんが『違うの?』っていう感じであたしを見たから、あたしはパッと玲次を見た。

玲次はあたしと目線を合わせずに鼻歌を歌っている。

こ、こいつ…制服が濡れた理由をそんな風に…



「う、うん。気をつけるね…」



しょうがないからその話に乗った。



「もう、澪ちゃんって意外とおっちょこちょいね!さぁ、気をつけて行ってらっしゃい」



おばさんがそう言ってあたしたちの背を押した。



「行ってきます」



そう言っておばさんが見えなくなるくらいまで歩いた後、玲次があたしの回し蹴りを食らったのは言うまでもない。