「澪?」



俺は今澪に呼ばれた気がした。

席を見ても澪はいない。



「葉月。澪は?」



俺は葉月に聞いた。



「え?トイレに行くって言って…そういえばまだ帰ってこない」



それを聞いた瞬間、俺は嫌な予感がした。



「ちょっと行ってくる!先生には保健室って言っといて!」



「ちょっ!玲次っ!!」



葉月を無視して俺は駆け出した。

キーンコーンカーンコーンと授業が始まるチャイムが鳴った。