あぁ、またこの夢。

こんな夢見たくない。

やだなぁ。

怖い、怖いよぉ。



『あんたなんか…』



ほら、聞こえてきた。



『あんたなんか…』



いや、言わないで…

その続きは…



『あんたなんかいなきゃよかった!!!』



「お母さんっっ!!!!」



「澪っ!!!」



「はぁはぁ…」



あたしが叫んだと同時に玲次の声がした。

横を見ると玲次があたしの手を握って心配そうに見つめていた。



「…れい…じ?」



「大丈夫か?」



玲次はそう言ってあたしの額の汗をタオルで拭いた。



「…ありがと…。大丈夫」



昔はよく見た夢。

中学になったくらいにはあまり見なくなった。

でも最近、また見るようになってきた。

あたしの…。

あの事件の…。

…夢。