えっと…頭の中を整理しよう。

俺は須藤を、須藤の家に送って行ったはずだ。

なのに、今目の前にいるのは……澪ちゃん?

俺は須藤の家?のリビングで、澪ちゃんが入れてくれたコーヒーを飲んでいた。



「…えっと…」



隣に座って澪ちゃんが何か話そうとしてくれているが言葉にならないらしい。

しょうがない。

俺から聞いてやる。



「どういうこと?澪ちゃんと須藤は一緒に住んでるの?」



俺が単刀直入でそう聞くと澪ちゃんは少しためらったけど、小さく頷いた。

それを見て俺は少しショックを受けた。



「俺に…内緒にしてたのはなんで?」



きっとこれがあったから、俺を家まで送らせたくなかったんだ。

俺は澪ちゃんに出来るだけ優しく聞いた。

そして、澪ちゃんはゆっくりと口を開いた。



「せ、先輩に…嫌われたくなかったから…」



そう言って澪ちゃんは自分の手をギュッと握った。



「だって…男の子と一緒に住んでるなんて…嫌でしょ?」



澪ちゃんは目をうるうるさせて俺を見た。

その顔…天然でやってるなんて、反則だよなぁ。

そう思いながら俺は自分が思っていることを言った。