さっき澪の様子がおかしかった。

なんか元気がないというか、傷ついてるというか…。



コンコン



俺は澪の部屋をノックした。



「はーい」



「俺だけど…」



そう言うとガチャリとドアが開いた。



「玲次?どーしたの?」



お風呂から出たばっかりなのか、火照った顔が可愛かった。

って今はそれどころじゃない。




「どーしたのはこっちのセリフだ」



そう言って俺は澪の部屋にズカズカと入ってベッドに座った。



「ちょっと!勝手に入ってこないでよ!」



そう言いながら近づいてくる澪を無理やり俺の横に座らせた。



「…で、なにがあったんだ?」



俺は出来るだけ優しい声で言った。

すると、澪の瞳が一瞬揺らいだ。



「…なんでも…ないもん」



澪は俺を目線を合わせず下を向いた。

何年も一緒にいる俺が、澪の嘘がわからないはずがない。