「くわぁ~!気持ちいいねぇ~!」



あたし達は電車から降りた後、1時間に1本しか通っていないバスに乗って20分、ようやくおばあちゃんちの最寄のバス停に着いた。

ここから山道を15分歩く。

でも真夏だと言うのに、木陰が続いていて気持ちがいい。



「なんもねぇ、田舎じゃねぇか」



玲次が重そうに荷物を持ちながら歩いている。



「荷物、代わろうか?」



そう言うと玲次はムスッとして言った。



「女に荷物なんて持たせるか」



そう言ってさっきよりスピードアップして歩き始めた。

あ、一応あたしのこと女の子だって思ってくれてるんだ。

そう思って一人で笑った。



「じゃぁ手伝ってあげる!」



あたしはそう言って玲次の後ろに回って背中を押しながら歩き始めた。



「おぉおぉ、快適快適♪」



そんなことをしながら15分後、やっとおばあちゃんちに着いた。