いきなり先輩に『名前で呼んで?』なんて言われてビックリした。

それにかなり恥ずかしい!!

『圭』…なんて呼べるわけない!!



「…圭…先輩」



考えた末にあたしは一応先輩を付けた。

だって先輩は先輩だもん!



「先輩もいらないんだけど…」



そう言って、目の前にいる先輩はゆっくりとあたしに近づいてきた。



「むりむり無理です~」



あたしは恥ずかしくて下を向いた。

すっごい近くに先輩がいるのを感じる。

このドキドキが先輩にまで聞こえてしまいそう。



「じゃあしょうがない。今は先輩付けていいよ」



そう言って先輩の指があたしの顎にかかった。

そしてくいっと顔を上げられた瞬間…



ちゅっ



あたしはビックリして瞬きするのも忘れていた。

気づいたときにはあたしの目の前に微笑む先輩の顔があった。