カランコロン 2人の下駄の音が心地よい。 「…ねぇ」 「はい?」 俺は澪ちゃんを見ながら言った。 「俺のこと、名前で呼んでよ」 「えぇっ!!?」 澪ちゃんはかなり驚いていた。 いや、でも普通付き合ったら名前で呼ばない? 澪ちゃんは『高岡先輩』とか『先輩』としか呼んでくれない。 「だって俺たち付き合ってるでしょ?だから名前で呼んで?」 俺はそう言って澪ちゃんの前に立って止まった。 すると澪ちゃんが恥ずかしそうに俺を見た。