「なぁ~最近澪ちゃんとどうよ?チューしたか?チュー?」



そう言って俺は圭にキスしようとした。



「うわっ!お前やめろよ!!」



圭はぐいぐいと俺の顔を押しのける。

あっそういえば俺がこうやって出てくるの初めてじゃね?

改めて自己紹介を!

俺、神林春斗。圭の友達!

昔はライバルだったけど。

今日は圭と、圭の彼女の澪ちゃん、そして澪ちゃんの友達の葉月ちゃんとプールに来ている。



「お前こそ、葉月ちゃんとどーなんだよ!」



俺が浮き輪に空気を入れてると圭に聞かれた。



「べっつに~」



そう言いながら俺はふと昔を思い出していた。

葉月ちゃんを初めて見かけたのは俺が中学1年の時。

意外と前の話でしょ?

自分で言うのもなんだけど、俺はサッカーだけはうまかった。

中1でレギュラーを任されたし、部長候補でもあった。

でも、それを面白くないと思っていた先輩たちに結構嫌がらせをされたりした。

根も葉もない噂を立てられたり、部室で殴られたりもした。

でもサッカーは辞めたくなかったから俺は耐えた。

ある試合の日、俺は試合の前に先輩達に殴られて口の横を切った。