澪の頬にキスした瞬間、俺の頭に星が飛んだ。

一瞬なにが起こったかわからなかったが、だんだんと右頬が痛くなってきた。

そして、俺は澪に平手打ちされたことに気づいた。



「い、いってぇ~!なにすんだよ!?」



「ここここっちの台詞よっ!!!」



澪が顔を真っ赤にして怒っている。



「ちょっとほっぺにチューしただけじゃねぇか!!」



「だからっていきなりするぅ~!?ありえない!ヘンタイっ!!」



「へっへんたい!!?」



いつもの喧嘩が始まろうとしたとき、周りに人がいることに気づいて、2人して顔を赤
くした。

そして、調教師の人たちはとても悪いことをしたと、澪にイルカのぬいぐるみをくれた。

例の写真も一緒に。

しかもご丁寧に水族館の可愛いフォトケースに入れて。

その後帰りの帰りまで、澪はプンスカしていた。

俺は自分のしたことに後悔した。



「で、でも…結構よく撮れてるよな。この写真」



帰りに俺はもう1度その写真を見た。

俺は顔が赤くてなんとも言えない顔をしているが、澪の笑顔が可愛く撮れている。

あぁ、ホントにこんな風に笑えるようになってくれてよかった。



「ちょっ!はずかしいから絶対誰にも見せないでよ!!」



俺が写真をまじまじと見ていると澪は慌てて言った。



「わかったって!」



澪がギャーギャー言うから、俺はその写真を大事にカバンにしまった。