澪と高岡先輩が出て行った後、クラスの中は少しガヤガヤしていた。



「え?あれってサッカー部の高岡先輩だよね?」



「澪ちゃんと付き合ってるの?」



「え~佐伯さん彼氏いたんだぁ~俺狙ってたのに」



「でも、あの2人ならお似合いだよね」



クラスの人たちがそんなことを話している声が聞こえた。

そんな中、あたしは帰る気になれなくて席でボーとしていた。

なんか……ちょっと寂しいな。

高岡先輩に、澪を取られた気分…。

すると、後ろから頭をスッパーンと何かで叩かれた。



「いったーい!!」



振り返ると、玲次が数学のノートを持っていた。

よりにもよってあたしの苦手な数学で…。



「なっなにすんのよ!!」



頭をさすりながら玲次を睨んだ。



「お前、今日ヒマだろ?俺に付き合え」



玲次がいきなりそう言ってきて意味がわかんなかった。