俺と澪ちゃんが付き合うことになったこと知った須藤はとても傷ついていた。

そりゃそうだよな。

きっと須藤は澪ちゃんを小さいときから好きなんだ。

見ていればわかる。

澪ちゃんはあんなんだから、きっと玲次の気持ちには気づいていないんだろう。

だからって、俺は澪ちゃんを須藤に渡す気はない。

澪ちゃんに初めて会った3年前のあの日から、俺は心の中でずっとあの子のことを想っていた。

高校に入って2年目。

たまたまサッカーボールを当ててしまった女の子を見たときはさすがに驚いた。

あの時よりもさらに可愛くなったあの子がいた。

俺はめちゃくちゃ嬉しかった。

絶対あの子と仲良くなってやる。

そう思っていた。



けれど、あの子の近くにはいつも男がいた。

須藤玲次だ。

最初は彼氏かと思っていたけど、あの子と話しているうちに違うことがわかった。

でも俺は内心焦っていた。

今は須藤の一方的な片思いだけど、それをあの子が気づいたら?

どうなるかわからない。

だから今はこうやって両思いになれて嬉しい。

須藤は、俺を嫌うだろうな。

俺が須藤の立場だったら俺という存在を徹底的に嫌いになるだろう。

呼び出されたときも、きっと散々悪口とか言われるだろうと思っていた。

けれど…