「斗真？」
「ん？」
「いや、・・・なんでもない。」
きっと私の気のせいだよね？
いまも普通だったし・・・
「一花はさ、いつから悠馬が好きだったの？」
「え？」
「好きになったきっかけとかは？」
好きになったきっかけかぁ・・・・・
私もさっきの斗真と同じように遠くを見つめてみる。
「いつからとかわかんない。ただきっかけは斗真かも。」
「え、俺!?」
意味がわらないという顔をしている斗真君。
そんな斗真を不覚にも可愛いと思っていまった。
やっぱり兄弟だな・・・・
「だって、斗真が意地悪するから。だから悠馬君がかわいくて。」
「・・・・そっか。」
「でもさ、やっぱりそれって、弟的な存在なんだよね。」
そう・・・
斗真はいつもいつも意地悪してきて、そんな私の心を晴らしてくれるのもいつも悠馬君。
斗真がいたから悠馬君を見るようになったの。
斗真がいたから・・・・ね・・・・
「それでもさ、迷ってるなら、1回付き合ってみれば？」
「え？」
「確かに一花はどんくさいし、鈍いし、美人でもない」
え、あの、
いきなり悪口ですが斗真君。
やはりあなたは意地悪です。
