「泣かないで」
そう言ったのは
弱々しい俺の声
「敦志!?」
綾香は驚いている
「大丈夫だから」
「敦志ー」
「ほら
そんなに泣くなって」
綾香の泣き顔に
俺は
俺は
我慢の限界だったようだ
俺は
綾香の涙を
弱々しい手でぬぐい
キスしてしまった
「敦志!!」
俺は
笑うことしかできなかった
綾香は
真っ赤な顔で
病室を
出て行った
=敦哉=
兄貴は
俺を助けてくれた
命がけで
しかし
俺は
兄貴を裏切った
命がけで
【悪魔】と契約をして
時は
今日の放課後
【ストーン】へ行く前のことだ
兄貴が
生徒会室に
集合時間になってもこないから
俺が探しに行ったときのこと


