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10年前の事になる。


俺んちの母親は、家から突然姿を消した。


母子家庭だったため、5歳だった俺は行く当てもなく、1人で毎晩を過ごした。


最初は怖くて泣いてばかりいた。


でもいつか戻ってくると思ってた。



「おかあさぁああぁぁぁぁん。」



いったいその言葉を何度叫んだのだろう。