「花は、本当にその子の事心から好きなようには見えないな…。本当に好きなら理由くらい聞くし、悔しい!とか思うでしょ普通?」

「理由とか、怖くて聞けないし…」

「はあ…。この際キツイ事言うよ?花は逃げてるの!何からでもない、自分の本当の気持ちから!」

そう通りだった。
私は逃げてるんだ、自分から。
拒絶される、嫌われるのが嫌で。
自分から、相手との距離を置いてる。
だから大事な事忘れて、後戻り出来なくなったりする。

「理由は、きっと言おうとしてくれたんだと思う。でも私が逃げたから、わからない。それに私、酷い態度取ったから…会ってくれるかどうか…」

情けない。
自分でしたことなのに、まだ涙が出る。
お母さんはきっと、呆れてる。

「もし、その子が花に会ってくれないなら…そんな男やめな!女の子の話を聞いてくれないなんて、男として論外よ」

お母さんは、カッコいい。
女子高とかにいたら、すごくモテそう。
外見が飛び抜けて綺麗とかじゃなくて、内面が人として素敵だから。
こんな素敵なお母さんを振ったお父さんって、どんな人だったんだろう。

「お母さん、本当にありがとう。私ちゃんと聞いてみる!それで絶対諦めないで頑張る!」

「いいわね、その調子!」

聞いて、見ようかな。
お母さん、怒るかな?
まあ、怒られたらその時!