「…久しぶり」

いつもと変わらない水木君。
私の大好きな、水木君。

「寂しかった！…自分が招いた事だけど、水木君がいなくて、凄く寂しかった」

「そう言ってもらえると、なんか嬉しいかも」

ちらっと目を見ると、視線をそらした。
照れ臭そうに、口角を上げた。

「あははっ、これでやっと…嫌いな秋ともサヨウナラできそう」

寂しい秋にも。
恵美のいない秋も。
水木君のいない秋にも。
自分の嫌いだった秋に、お別れできる。
これからこの2人がいる限りは、こんな秋とはおさらば。
ずっと、こんな幸せな秋が続きますように。
全ての季節を、素晴らしい日々で照らし続けられますように。

「花、冬になったら…またここに来よう？」

「冬になるまで来ないの？」

「ここを、僕等の特別な場所にしよう」

特別な場所…。
約束の場所でもあるここが、水木君との特別な場所となる。

「花、これからお互いをもっとよく知って行こう？」

「…賛成っ！」

これから、ゆっくりと。
お互いが、お互いの事を知っていける様に。
季節を、歩んで行こう。