「水樹ー！おっはよ！」

うぐっ…。
朝からハイテンションで飛びつかれた。

「おっ…はよ、ぐるじい…」

「えっ、あーごめん！大丈夫？昨日すっごく嬉しかったの！」

この子は、本当にいいこだな。
私みたいなのが来ただけなのに、そんなにニコニコして…。

「そういえば…」

ハッとして、横の席を見ると空席。
恵美がキョトンとしているのを見て、水木君の言葉が脳裏によぎった。

『…いつか話す。花が皆に言わないでくれるなら』

皆に言っちゃダメだ。
約束は、約束だから…。

「水樹…？」

「ん？ううん、もう時間だからまた後で！」

何で、普通にしないんだろう。
水木君はいい人なんだから、皆ともっと仲良くすればいいのに…。
授業中いることは珍しいのに、先生は水木君の方を見ようともしない。
水木君は、謎に満ちている。
もっと色々知りたいのに…色々不安だよ。

「…花、どうしたの？」

びっくりして横をみると、水木君がいた。
眉毛がはの字になって、心配してくれている様だ。
考え事してて、全然気づかなかった。
もうこの疑問全部、本人に聞くのが1番かな。