「わっっ」 あたしは小さな石につまづいてみんなの前で思いっきり大の字で転んでしまった。 ざわっとなるグラウンド。 膝に走る強烈な痛み。 周りからの視線と、地面に勢い良くすれた膝、どちらとも同じように痛い。 しかも、恥ずかしい。 こんな公の場でこんな状況になるなんて初めてだ。 「いっ…た」 それでもレース中断なんてことにはならない、そんな甘い世界ではない。 自分で立ち上がってゴールしなきゃ…。