「ね、ねぇ、緊張とかしないの?」
緊張をほぐすために優くんに話しかけて見た。
すると優くんはこちらに目を向けることもせず、
「…別に」
とつぶやいた。
この前のこと怒ってるのかな…?
いや、そんな心狭い人じゃないよね。
あんなことで怒るような人じゃないよ。
もとからこの人は冷たい人だし…。
うん、そうだ。
実は緊張してるってやつだよ、多分。
うん、そうだ。
そう自分に言い聞かせる。
周りの先輩や同学年の女の子たちがみんなこちらを見て顔を赤くしてひそひそと何やら話しているのに気がついた。
ん?あたし何か変かな?

