私は気にも止めず、先生の後ろを
ひょこひょことついて歩いていた。



「市原さ~ん!!」

急に名前を呼ばれ、驚きながらも
呼ばれた方向へ振り返ると
男の先輩が何人かいた。

(あれ?誰だろう?小学校一緒の人かな。)


不思議に思いながらも
とりあえず礼儀として会釈だけをする。


どうして自分の名前を知っているのかと
疑問になりながら上履きの方を見ると

【市原】とマジックペンで書いてある。

これは、お母さんが書いてくれたもの。


(あ!そうか。上履き見たのかな。)


私は一人納得をし、
また綺麗な上履きを見つめ口元を
緩ませながら教室まで歩いた。