ずっとまひろも考えていたの?
私は一呼吸置いて口を開いた。
『そんなのとっくのとーに許してるよ。』
まひろが気にすることじゃない、と
一言添えて。
「ありがとう、市原…。
俺ずっと中学卒業してからも
お前のことがずっと突っ掛かってて…
その…。」
後ろで陸人が暴れてるのが聞こえる。
『え、なに?!よく聞こえない。』
「えっと、つまり…【まひろは、ひなたのことが】うわああああ?!!
やめろよおまえ!!」
まひろと陸人が暴れているのが
耳に響いて、つい携帯を耳元から離した。
(う、るっさ…)
「わりぃ!陸人酔っぱらってるから
電話切るわ!」
『え、ちょ!!?』
一方的に電話を切られた私は
ツーツーと言う音を耳にして
“あのとき”のことを思い出していた。


