奈南が指差した方を見上げると
三年生の男子の先輩達が
教室の窓から
こちらを除き混んでいた。
私と、ばちっと目が合うと
何人かが手を振ってきている。
『え、あれなに?!
どうすればいいの?』
「あれ、ひなたちゃんに振ってるんだよ!
振り返さなきゃやばくない?!」
奈南は手を振り返すよう急かす。
言われるがままに
もう一度窓の方を見上げて
私はその先輩達に手を振り返してみる。
三年生の教室からは
おお~っと歓声があがり
さっきよりも大きく手を振ってきた。
私はなんだか怖くなり
気付かないフリをして、またストレッチをし始める。


