(ん、今度は誰だろう?)

電話の着信音だった。
登録されていない知らない番号だ。


『もしもし?』

恐る恐る通話ボタンを押せば
聞こえてきたのは、明るい声。


「あ~ひなちゃん!?おれおれ!
お誕生日おめでと~う!!!」


後ろがざわついているのが
聞こえる。
居酒屋か何処かの店内だろうか。



『…おれおれ?詐欺かなんかですか?』


「ぷ。お前誕生日なんだからさ~
もうちょっと可愛いこと言えないの?」


『もしかして、陸人?あれ、番号かえた?』

電話の相手は、中学時代からの
友人だった。

「そうそう、てかお前と話したい人いるから
ちょっと電話かわるわ!」


周りがざわついていて何を喋っているか
全然聞こえない。


『え!なに?なんて?!』

私もつい大声になる。