無理矢理連れて来られた男の子は
腕を掴まれながらも
のぶと一緒に私の目の前で止まる。


「まひろくん!これがうちらの
幼なじみの、“ひなた”だよ~!」

みなみがポンっと、私の背中を押す。


『うわっ!?』

急すぎて変な声が出る。

目の前にいる男の子は頬を赤らめ
俯いているままだった。


「ほら、ひなた挨拶してやれよ~。」


よくわからないまま
のぶに言われた通りにとりあえず
よろしく。と、一言だけ挨拶をした。


男の子は私の顔を見て
一瞬だけ可愛い笑顔でにこって笑ったんだ。

何故だかわからないけれど
その時、私は温かい気持ちになった。