「え?」 ぽろり、思考は言葉になって陽太に届いていた。 不思議そうな顔をする陽太に、そのまま感じたことを伝える。 「私、お父さんいなくて。こんな風に今日の出来事を話しながらなんて食べたことなくて」 お母さんとだってこんな風に食べたのは もう何年も前のことだ。 あまり覚えてないくらい前。 朝も夜も仕事をしていたお母さんとは食事のタイミングなんて合わなくて。昼こそ学校で友達と食べていたけれど、家族と食卓を囲んで、なんてことなかった。