「分かってる」 そうなる前には 自分でバイトを見つけて出ていくつもりだ。 そんなに長くは居座るなんて思っていない。ほんの、少しの間だけ。 「それに…本物の猫が戻ってくれば私はいれないし」 もともと陽太が気にかけていた黒猫。 どうせ近所にいるだろう。その猫があそこに戻って来たとき、私は黙って消えなければいけない。 実は猫なんかじゃなくて人間でした―――