君が嘘をついた理由。



親には縁を切ると言われたの、と笑いながら聞かされた。頼る人もいなくて、毎日毎日働いて。きっと、お母さんは疲れたのだ。


肩をゆすっても、話しかけても起きようとしないお母さん。


それが、「起きたくない」

と言っているような気がしてもう、何もできなかった。


このまま寝ていた方がお母さんは幸せなのかもしれない。


もしこのまま起きなかったらどうしよう…最初の2,3日こそは


途方にくれてただ、呆然とするばかりだったけれど。


幸せそうに眠るお母さんを見てそう思ってからは、悲観的な感情は無くなった。


休みたいのだ、お母さんは。全てを忘れて。


……ただ、残された私は。