「るな。 月の女神を拾ったんだ。僕はラッキーだね」 恥ずかしいけれど、全力で何とも思っていない表情を作る。顔は熱い。 さらっと言ってのけた早川、さんはこちらの心情なんて気付いてないらしい。のんびりとそういって、またコップを口に付ける。 …ラッキーなのはこっちの方だ。 ちょっと難しいけれど嘘をついていればこうして美味しい飲み物も与えてくれる。 一人で、いなくて済む。 早川さんは、何がラッキーなんだろう。