私、という存在をちゃんと認めてくれているような気がして。嬉しいなって思ったけれど、素直にありがとうと言えずに、視線を落とした。 コップの中の、真っ白なそれをみつめる。 早川さんはそんな私に気にせず続けて口を開いた。 「―――『月の女神』って意味なんだ」 「月の…女神?」 繰り返しながら顔をあげれば、うん、とうなずかれて。 るなって名前、と言われた。 「古代ローマ……昔、ここから少し遠い同じ地球上の国でね、伝えられた神話…物語でね登場するんだ。