君が嘘をついた理由。


こんなの書いたっけ?

なんて思いながら、陽太を見る。



「この学校にきて、一回だけるなのクラスで授業したことがあったんです。まだきたばっかりで、研究授業って形で。るなは覚えてないだろうけど」

「ごめん・・・」


全く覚えてない。

思い出そうとするけど、思い出せない。

謝れば、ううんと首を左右に振る。

「教えるの難しくて、歴史は好きだけど、教師って向いてないんじゃないかって悩んだりしてて。そんな時に、アンケートに書いてあった言葉見て」

とんとん、の指で私の文字を指さす。