その笑いを消したのは、陽太の言葉で。
「そっかぁ。やっぱり覚えてないか」
「え?」
寝ころんだまま陽太の方を見れば、肘を突き、手のひらに顔を乗せたまま、私を見ていて。
何を?そう聞く前に陽太は近くの棚からファイルを取り出して私に渡す。
起きあがって受け取って、開くそれ。
開いたそこには、プリントがファイリングしてあって。
一番最初のプリント。氏名にはーーーー松岡月菜。・・・私の、名前だ。え、と思って下を見れば。
『授業を受けた感想を書いてください』
ーー歴史は興味が無かったけれど、先生の授業なら好きになれそうだと思いました。
頑張ってください。
・・・書かれてあるのは、紛れもなく私の字で。



