君が嘘をついた理由。


「大丈夫だって」

全然、大丈夫じゃない。

残ったのは明日の朝食べることにして、食べ終わった私は促されるままお風呂に入った。

入れ違うように陽太がお風呂に入って、

濡れた髪を乾かしながらまたクロネコとじゃれる。

お風呂場からは度々桶を床に落としているような音が聞こえて、


あぁこうやって毎日苦労してたのかな?

なんて思ってしまった。


ドライヤーで乾かしていると、不思議そうに私を見てくるクロネコ。


「君もする?」

少しだけ風が届くような距離でドライヤーを当てる。