君が嘘をついた理由。










久しぶりにきた陽太の部屋は懐かしかった。


少し前までここに住んでいるようなものだったのに、

それが当たり前じゃないと改めて感じさせられた。


なんのつながりもなくなれば、

離れてしまえばここにくることさえ。



部屋に入ることさえ許されなくなる。



この部屋に入れるありがたさを噛みしめて、

部屋へあがれば。


いい匂いがして、お昼を逃した私は空腹が押し寄せてきた。


「おかえり」

「ただいま」



先に佐田先生に送られて帰っていたらしい陽太。


一言だけ交わして、



部屋に進む。


ぜんぜん変わってないな、


と思っていたけれど、

変わったことも確かにあって。