「るな、こっち」 こんな道路のど真ん中で泣かれても困るよね。 分かっていながらも止まらない涙。 袖で目元を隠したまま、陽太の誘導で歩き出す。 陽太に促されて、すぐそばにあるベンチに座らされた。 「袖だと傷付くから、」 拭うための腕を外され、代わりにハンカチを当てられる。 ふわっと香る陽太の匂いに、 胸は締め付けられる。