早足で、急ぐ。 また冷たい外に逆戻り。 、と。 「―――っ、」 入り口を出たところで、少し遠くに見つけた後ろ姿。 顔を見なくても分かる。地面を蹴る。 陽太、陽太、先生。 遠かった背中が、どんどん近く。 あと、少し―――。 「――わ、」 「っ、」 手を伸ばして、コートの後ろを掴んだと思った瞬間。