落ち着け、落ち着け。早く開けたいと思うのに、向こうにいるのだろうと思えば、なかなか勇気が出なくて。 しばらく、真っ白いドアを見つめて、 やっと伸ばした手。 ゆっくりと、少しだけ開いて、中を覗く。 「……」 陽太。 …は、いなくて。 変わらず、お母さんが寝ているだけだった。