君が嘘をついた理由。



「思ってるからっ・・・思ってるから、出たんです」

先生の目が怖い。


だけど、逸らすことはできない。


先生が思っているよりもずっとずっと考えたんだから。


この気持ちだけは分かっていてもらいたい。ぐっと、手を握りしめる。

「これ以上、迷惑かけちゃ、いけないなって思って・・・」


「は、それで黙って出て行ったのかよ。女の勝手な都合で」

「・・・は?」


「よく言うよな。彼のためを思って、考えてこうしたろうが為になるから。そうやって正当化して出て行く女。人のせいにするやつ」