「陽太んちだよ」 陽太。誰かからその名前を聞くのは初めてで。あぁ、やっぱりこの人は知ってたのか、と思う。 それが顔にも出たのだろう。 にやり、 意地悪そうに笑われた。 「せめて礼くらいするのが常識なんじゃないの?」 「・・・・・・」 「しかも、怪我して介助が必要なときに出て行きやがって」 「・・・・・・」 「聞いてる?」 「・・・聞いてます」 「なら、どうして出て行った」