「行ってきます」 「いってらっしゃい」 ここに来てから、何回も交わしたこの会話。 いつも、こうして仕事に行く陽太を見送った。 「大丈夫?」 いつもより早く起きて用意をしていたけれど、 結局準備できたのはいつも出る時間の直前で。 きっと、昨日まででは気付かなかった不便さを経験するだろう陽太に、心配で声をかければ。 「うん。友達が迎えに来てくれるから」