「ちゃんと面倒見てあげる。守ってあげるよ」 優しく、落とされた声に、はっと目を見張った後、 思わず目が潤んだ。 咄嗟に上を向いて瞬きを繰り返す。 怪我の手当に集中している目の前の人は、 気付いてないみたいだ。 変わってる。最初から思っていたけれど変わっている。けれど、この人からはさっきの酔っ払いのような気持ち悪い下心も感じない。 危険だと思わない。まだ、隠しているのかもしれないけれど。 それでもなんとなく、直感で危ないか危なくないかは分かる。