自分で思って寂しくなるのだけど、それと同時に……。
「そうだとしたら、飼ってくれる…?」
気付けば、男のぶっ飛んだお話に乗せられるように、自分の口からも普通なら言わないだろう言葉が飛び出していた。
ありえないだろう、と冷静に思っている気持ち半分、本音半分で。
ガーゼの上から包帯を丁寧に巻いている男に問えば
わずかに顔を上げた男は笑顔だった。
「僕でよければ」
にっこりとほほ笑んで、また包帯を捲くために視線を落とす。手つきは優しくて、全く痛くもなく、
巻き具合もきつくなくてほどよい。
くるくると包帯のロールが回る度に、綺麗に巻かれていく。



