君が嘘をついた理由。


「はい」

どんな顔で言っているのだろうか。即答で肯定した陽太。


「そうですか・・・じゃあ、せめて送り迎えでも」


「や、運転ならできますし」

「片手じゃ危ないですよ!」


「佐田先生に送ってもらえますから・・・」

「・・・そうですか・・・」



明らかに落ち込んでいるような声。陽太は、気づいてるのかな。



「それでは、」

ありがとうございました。と、言って、遠ざかっていくヒールの音と閉まったドアの音。