君が嘘をついた理由。


申し訳なさそうな声。


「本当にありがとうございました」

陽太はきっと、笑っているんだろうなと

表情は見えないが思った。

「あの・・・」


少しの間の後、声を発したのは女の先生で。帰らないのか、と思えば。


「片手動かないと何かと不便じゃないですか?・・・なにかお手伝い・・・料理作る、とか」


ドキっとする。

・・・なんだろ。この感じ。大人の世界を見せられてるようで。