君が嘘をついた理由。



佐田先生も、生徒を捕まえたまま、

心配そうに陽太を覗き込んでいる。陽太はすぐに顔を上げて、一言二言先生たちと言葉を交わして立ち上がった。


「ほら行くぞ、周りも授業が始まるぞ!教室に行け!」

佐田先生の一言で、群がっていた野次馬が動き出す。


引っ張られていく生徒と、


顔を歪めて、手を押さえたまま行く陽太。

それに寄り添う女の先生。

・・・手、痛めたのかな。大丈夫だろうか。


「絶対痛かったよね、あれ。でっかい男2人の下敷きになってんだから、しかも勢いつきで」

「うん…」

 大丈夫、だろうか。